通販・EC
山本 英二様(執行役員 システム管理部長)/ 柿崎 広志様(物流部長)
課題
解決
導入経緯
多様化するお客様のニーズに応え、より良いサービスを提供していくには、物流システムは重要な位置づけにあると認識しています。今回、物流センターを新設するにあたり、既存の設備での最大4万行のピッキング能力を8万行に拡大させ、一方でスピードアップを実現することにより、最大出荷量の倍増を目指そうと考えました。そして東日本地区の物流拠点となり得る「東京物流センター」を新設し、東日本地区の物流量拡大と物流サービス拡張を目指すことにしたのです。ビズネットではお客様企業の専用帳票やノベルティなどの資産をお預かりするサービス「ついで便」も展開していますが、企業におけるコンプライアンスに対する意識が高まるなか、「大事な企業資産を預けて大丈夫か」という厳しいご指摘を受けるようにもなりました。そこで、“安心・スピード・簡単”の頭文字をとった「あ・す・か」をコンセプトに、あらゆる面において高水準な物流センターにしたいと考えました。
選定理由
競合入札の結果、日立製作所・トーヨーカネツソリューションズのグループに決定したのですが、その理由としては「当社ビジネスモデルへの理解」が挙げられます。例えばそれは、保守・改善に関するサービス内容が明確に示されていたことにも表れていました。ビズネットには、当然のことながら、中期のみならず長期計画における明確なビジョンがあります。ビジョンの達成を目指し成長を続けていくうえで、物流センターを拡張させていかなければなりません。日立製作所・トーヨーカネツソリューションズの保守提案の具体性から、今後も能動的に力になってくれるだろうという期待感が高まりました。何より、稼働後まで考える姿勢を持ったこのグループとならば、ビジネスパートナーとしてWin-Winの関係を築いていけると思えたのです。
導入後の効果1
最大出荷量の倍増に対応できるよう、東京物流センターは倉庫スペースを従来よりも約25%広げ、3フロアから1フロアに集約させ、ラインなどの設備を効率的に配置できるようにしました。この“効率的配置”を最大限に活かすべく、日立製作所・トーヨーカネツソリューションズの最新物流システムを構築した結果、総合的な工程の見直しが実現し、出荷スピードが全体で約20%アップしました。中でも「オーダースタート」の効率は13%アップと、格段に向上しています。今まで手作業で行っていた納品案内書の投入やスキャニングが自動化されたことにより正確性を増したのはもちろん、納品案内書、ピッキングリスト、出荷ラベル3点の同時投入が可能になったことで作業スピードが格段に高まったのです。また東京物流センターには、以前はなかった大物用のラインも設けられています。大きい商品はデジタルピッキングシステムでピッキングすると効率が悪くなるため今までは手作業で行っていたのですが、今回、採用した大物用のラインによって、ヒット率が半分以上アップしました。全体的に見ても8%の効率アップです。
導入後の効果2
発注が集中した際、ラインストップを回避するための「回遊ライン」をいかに伸ばすかは、センターを構築する際の課題の一つでした。今回のラインでは、最大出荷量から見た適正な回遊ラインを設けることができました。そもそもラインストップは低く抑えられていたのですが、さらに抑制することができ、オフ率2%程度になりました。さらに、センター全体における出荷能力が充実した結果、出荷時間が早まり、横浜・川崎エリアへの当日配送が可能になるなど、お客様にお届けする時間短縮を実現しました。また、ビズネットとの取引を検討中のお客様に東京物流センターを見学していただくと、セキュリティ面でも安心だとご理解いただけて、その結果、ご契約につながるという事例もあります。今、ビジョンを達成するための道のりを、成果を挙げながら着実に乗り越えているという達成感を得ていますが、日立製作所・トーヨーカネツソリューションズには、今後もさらにサービス品質の向上を目指して、さまざまな提案を期待しています。
※この記事内容は2009年3月に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。