株式会社学研ロジスティクス様(所沢総合センター)

学研グループの物流事業会社として、1992年に学研流通事業部より独立した学研ロジスティクス。1994年に完成した所沢総合センター(埼玉県三芳町)を拠点に、ロジスティクス・ソリューション・ビジネスを積極的に提案してきた同社は、グループ外の商品を扱う外販事業の拡張を着実に進める中、さらなる飛躍を目指して、2007年7月、マテハンシステムとWMSを一体化した新システムを導入。システムのメリットを最大限に活かすことで、作業効率の向上によるコスト削減、ミス率の低減によるクオリティアップなど、さまざまな効果を実現させています。
※インタビュアー:笠井志麻(トーヨーカネツソリューションズ 総務・品質保証グループ 広報担当)
株式会社学研ロジスティクス様(所沢総合センター) プロジェクト概要
導入・改善効果
- 市販事業拡大への対応、さらに外販事業の拡大
- 人的作業を可能な限り削減しミスをなくす
- 作業効率を高め時間外労働をなくす
- 外販事業を拡大する体制整備
- 誤出庫が激減、誤破損率も大幅に軽減
- 就業時間内で作業終了を実現
導入背景:市販事業へのシフトと外販事業拡大には、物流システムの刷新が不可欠だった
親会社のビジネスには代理店、ユーザー等に直接販売する「直販」、書店などで販売する「市販」という2つの商流がありますが、市販事業の拡大にも物流面において対応する必要がありました。それと同時にグループ内物流だけでは取扱量に限りがあり、より多くの商品を取り扱うためグループの枠にとらわれない外販の比率を増やす必要が出てきました。グループ内の商品を扱うために構築された従来システムでは、新たな物流要件が生じる度に物流システムを構築するといった対応をしていました。しかし外販のシェアが拡大するにつれ、拡張性などに限界が出てきたのです。さらなる顧客獲得とハイクオリティを実現するには、拡張性の高い“外販モデル”のシステム構築が必至と考え、全社をあげての「新物流システム推進プロジェクト」が発足しました。そして親会社が、長年使い慣れた自社独自仕様の基幹システムから業界標準のERP(SAP)導入を決定したことを受け、物流を担う当社は、「新物流システム導入プロジェクト」にてマテハンシステムの全面リプレースとWMSの新規導入を決定しました
WMSソリューションサービスについて
選定理由:豊富な実績から、当社に最適なシステムを提案してくれると期待感
「新物流システム導入プロジェクト」では、業界標準のWMSパッケージを採用することによる業務拡大と変化への柔軟な対応が目指すところでしたが、ほかにも「誤破損(破損本を誤って発送してしまう)と誤出庫などのミス率を限りなくゼロにし、クオリティを高める」「作業効率を向上させ、残業ゼロを目指す」「徹底した在庫管理を実現する」といった目標がありました。過去の経験により重装備な物流機器の導入は控え、シンプルかつ高機能な物流設備設計を行いました。
システム構築とマテハンの刷新をとりまとめて行えることを前提に、当社が示した課題・目標を踏まえてパッケージシステムの導入を提案してきた数社の中からトーヨーカネツソリューションズを選んだわけですが、最大の決め手となったのはWMSの導入実績です。どんなに優れたシステムでもきちんと機能させることができなければ導入効果は得られませんから、多様な導入実績がある同社ならば、出版業界の特殊性を理解したうえで活用しやすいシステムを構築してくれるだろうという期待感がありました。
WMS導入目的・構築プロセスについて
導入システムの特長:業界初の「ラベループ」など、各エリアで最新機能を採用
以前は伝票類を事前に発行しセッティングしていましたが、これを現場にて必要なものを必要な時に発行するしくみにしたことにより夜間の伝票発行処理、伝票セット作業を廃止し、同時にセットミスの削減を行いました。ピッキングはDPS(デジタルピッキングシステム)を採用しています。
オーダースタート部では、従来は人が伝票と集品オリコンの紐付け作業を行っていましたが、リライタブルラベルシステム(ラベループ)を採用することにより無人化を実現しました。ラベループは集品オリコンに貼られたリライタブルラベル(複数回書き換えが可能なラベル)にバーコードを含めた出荷情報を自動で印字する装置で、業界初の試みです。ラベルコストの削減とラベル剥がし作業を不要とする、人と環境にやさしいシステムとなっています。また、DPSでは高頻度アイテムはデジタル表示器でピッキングし、ピッキングした書籍や雑誌をその場でバーコード検品する検品端末を導入しました。低頻度アイテムは、ハンディーターミナルでピック&チェックをします。ピッキングが完了した集品オリコンは、ウェイトチェッカーで重量検品を行うことにより従来多く発生していた数量ミスを防止しています。
流通加工エリアでは、ピッキングされた書籍・雑誌のバーコードをスキャンすることで必要な短冊(取次店側で書店別に仕分けるために書籍に挿入する札)を自動的に発行するしくみを採用しました。従来は事前に発行された短冊の中から探していたため、まるでカルタ取りのような状態でしたから、システム化により大幅な作業軽減がなされています。
効果:「考えさせない」「探させない」作業性で、誤出庫はほぼゼロに
移行するにあたっては2007年7月、ERPとWMSを同時に立ち上げる「ビックバン」的な立ち上げを行い、さらにその後、稼働中のセンター移管等のステップを踏みました。2007年9月にマテハンシステムを導入し、当初はやや混乱もありましたが、数カ月後には安定稼働できる状態になりました。具体的な効果としては、重量検品とピック&チェックによってミスを発覚させることにより、下流工程から上流工程への後戻り作業が軽減されました。加えて「考えさせない」「探させない」作業性が、作業効率の向上をもたらしています。以前は21時過ぎまで作業が続く日が少なくなかったのですが、現在は9時から17時までの就業時間内に終わるようになり、コスト削減にも大きく貢献しています。
また、誤出庫は大幅に減少し、年間1~2冊となり、プロジェクトスタート前に掲げた目標を達成しました。誤破損に関しては、大幅に減少したとはいえ、ゼロではないのが実情です。破損本のチェックは、システム化は難しく人的作業に頼らざるを得ません。流通加工エリアにおいて他の人的作業が軽減されたことにより、チェックに集中しやすい作業状況になったわけですが、人の力に頼りながらも誤破損をいかに無くすかは、今後の課題の一つと捉えています。
返品在庫を新しい商品として、加工し出荷するなど、出版業界ならではの特性から在庫管理は大きな課題ですが、WMSパッケージの導入により実績・履歴情報管理が徹底されたことで、管理の正確性が高まりました。現在、当センターに保管されている市販事業のアイテムは7000強アイテム、全社で
在庫しているのは2万7000アイテムですが、多様な商品の動きに対応するため、トーヨーカネツソリューションズはよく勉強してくれたと感謝しています。
新物流システムを使っての市販事業、外販事業の拡大が目標の一つですが、順調に伸びています。今後も、システムのメリットを最大限に活かし、さらなる事業拡大を目指したいですね。
トーヨーカネツソリューションズのWMS製品・導入事例について
導入企業プロフィール
会社名
株式会社学研ロジスティクス(略称:GLG)
主要業務
保管・配送業務、各種流通加工、メーリングサービス業務、データベース作成・加工、他販売促進の各種後方支援業務
従業員数
80名
URL
※この記事内容は2009年4月に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。








